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|| 五月 ||

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いよいよ旅行の最終日は、勝浦温泉にあるホテルの

 

部屋から見えた那智の滝を目指す。

 

 

まずは
大門坂手前にある駐車場で、語り部の方と合流。


語り部さんは歴史を調べるため古文書を求め
日本中を歩くほど歴史に詳しい方であった。

 

そしてこの方の説明を聴きながら大門坂を登っていると

ふと
今までの参道より僅かではあるが何か明るい印象を覚えた。

 

そのことを語り部さんに伝えると
台風で周りの杉が相当に被害を受けその間隔が開いてしまい、
木漏れ日が増えて周りの景色も透けてみえてしまっているとのこと。

 

ところで参拝の道は
語り部さんの薦めで那智大社から青岸渡寺、
そして那智の滝へ向かうルートを選ぶ。

 

本宮や新宮とは違い、那智大社は山の上に祀られていたが

 

それでも
他の社と同様、多くの参拝者で賑わっていた。

 

これは
景観や文化遺産を壊しても大門跡付近に建ててしまった

大駐車場のおかげか。

 

さて

権現をお祀りする那智には

滝の社

も置かれており、つまり神仏習合、いや

自然との習合

の象徴がそこにはあった。

これにこそ失われし修験道の世界観
がまざまざと感じられたのだった。

 

また

そのすぐ隣には天台宗の寺院である青岸渡寺があるが、

ここは西国三十三所第一番札所であり
目にきつかった那智大社の朱の色からうって変って
外観も内部も大変に趣があり、なにかほっとした。

 

ただ、

豊臣秀吉公より寄進された日本一の大鰐口は、
思いのほか優しい音しかならなかった。

 

青岸渡寺を抜けると
遠くに三重の塔と那智の滝が望めた。

 

ここの高さは滝より高くあり、階段をおりて徐々に高度を下げ
那智の滝との対比が美しかった三重の塔の横を通り

 

さらに下ると

 

滝の入り口となる。

ここからさらに急勾配の、火祭りで有名な石段を下りるが

 

その目の前には

唐突に
見上げるように滝が現れた。

それは

遠くから望む日光の滝とは異なり、
間近に見てしぶきを浴びることができ、その存在は圧倒的であった 。

自然に身を置き、それに浸ることが今回の旅のひとつの目的であったのだが

風にたなびき太陽を浴びる古来から現前する滝を前に
その大きさと厳しさに向き合っていると

いつしか


感謝の言葉だけが胸に響いていたのだった。

 

・・・・・

 

長文はおしまい。

 

帰りは南紀白浜空港から。

 

飛行機に乗る前には

最後の最後にクツエビをいただき

この歯ごたえや甘みに舌鼓。

日本の豊かな

海や山の幸に感謝の締めくくりとなりました。

 

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